安倍晋三首相は10月24日、臨時国会で所信表明演説を行った。観光に関しては災害からの復興の力になるとして、北海道胆振東部地震、西日本豪雨などで被害を受けた地域の観光を支援する姿勢を強調。災害復興を進める熊本、東北に外国人観光客が増加している成果も紹介した。また、産業界の人手不足への対策では、外国人材の就労目的の新たな在留資格の創設に意欲を示した。
所信表明演説のうち、観光の復興に関連する部分は次の通り。
「復旧・復興の加速」
この夏、大きな自然災害が相次ぎ、日本列島に甚大な被害をもたらしました。お亡くなりになられた方々に、衷心より哀悼の意を表します。全ての被災者の皆さまにお見舞いを申し上げます。
(中略)
北海道の大自然、美しい倉敷の街並み。観光名所に、多くの皆さんに足を運んでいただくことが、復興の大きな力となります。政府も「ふっこう割」で後押ししてまいります。災害情報の外国語による提供など、外国人観光客の皆さんの安全、安心の確保にも取り組みます。
「震災からの復興」
熊本を訪れる外国人観光客は、昨年、熊本地震発生前の水準を回復しました。来年秋に向けて熊本城天守閣の再建を進め、この流れを加速してまいります。
東北の被災地でも、震災前の2倍近い観光客が海外から訪れるようになりました。本年も全国平均を上回る伸びとなっており、東日本大震災からの復興は、一歩一歩、着実に進んでいます。
(中略)
東北の復興なくして、日本の再生なし。この決意の下に、「創造と可能性の地」としての東北を創り上げてまいります。
衆院本会議で所信表明演説を行う安倍首相(写真・官邸ホームページから)